安眠のための”実力派”アロマ&ハーブ
リラックスや安眠のアロマというと、一番にどんな香りを思い出しますか?
これまでのブログでも、リラックスタイムやお休み前のひと時におすすめの香りを色々ご紹介してきました。
例えば、リラックスの代表選手と言えばラベンダー精油。フローラル調の深く優しい香りが心を芯から癒してくれます。
そして不動の人気、平穏な心を取り戻してくれるベルガモット精油。柑橘の軽やかさと奥行きのある深みをバランスよく合わせ持つその香りは、私たちの心のバランスも整えてくれます。
ベルガモットと同じ柑橘のオレンジスイート精油も、甘みのあるフレッシュな香りで年代や香りの好みを超えて親しみと安らぎを感じられる香りです。
そんなリラックスの香りたちに、時にそっと寄り添っている香りがあります。
それはスイートマージョラムの香り。
今回ご紹介するのは「ちょっと控えめな実力派」の精油です。
リラックスアロマの実力派
スイートマージョラムの香り
ラベンダーやオレンジと違って、耳慣れない方も多いマージョラムという名の精油。
料理に使われるハーブ、オレガノの仲間というと想像しやすいかもしれません。
ちょっとスパイシーで、温かみを感じる香りです。
身体を温めるハーブのひとつとして、肩や腰などのコリや疲れ、関節の痛み等を感じる方のためのトリートメントオイルにブレンドされることの多い精油ですが、“心を温めたい時”にも力になってくれます。
不安やストレスでこわばった心を和らげ、心配事やイライラ感にとらわれてヒートアップした頭を落ち着かせて慰めてくれるマージョラム精油。
神経を使うことが続いて頭と心が休まらない…そんな時にゆっくりと嗅いでみてほしい香りです。
可愛らしい枝葉に小さな花をつけるハーブの姿そのままに、その香りも強く主張するものではありません。
他の精油とブレンドすると脇に回りがちな奥ゆかしい香りですが、
甘みのある温かなその香りはしっかりと心に届き、ブレンド全体の香りと働きを支えてくれる…そんな影の立役者なのです!
マージョラムのおすすめブレンドレシピ
*安眠ルームスプレー*
安眠におすすめのリラックスアロマブレンド。
寝室全体や枕元にスプレーして、心から安らげる眠りへ。
《ブレンド内容》
マージョラム 3滴
ベルガモット 4滴
フランキンセンス 3滴
《作り方》
30mLの遮光スプレーボトルに、
無水エタノール5mL、精油合計5~10滴を入れてよく混ぜ、
最後に精製水25mLを加えてよく振り混ぜれば完成です。
※肌に直接スプレーすることは避け、作成後3ヶ月程度で使い切ってください。
※火気に注意してご使用ください。
安眠ハーブの実力派
リンデンのハーブティー
お茶として飲むハーブのほとんどはノンカフェイン※で、
さっぱりとした味わいとほのかな香りでリラックスでき、お休み前の一杯におすすめのものがたくさんあります。
リラックスハーブティーといえばカモミールが有名ですが、他にも色々なハーブがあります。
今回はそのひとつ、リンデンのハーブティーをご紹介します。
※カフェインを含むハーブティー
南米のマテというハーブのお茶には少量のカフェインが含まれます。(焙煎等の製造方法や淹れ方の違いによって含有量は異なります。)
穏やかな心のための一杯
リンデンという植物の和名は西洋菩提樹(セイヨウボダイジュ)で、シナノキ科の高木です。
小さな花と、花の周りの枝葉の部分を一緒に乾燥させたものをお茶として飲むのが一般的です。
甘みのある優しい香りとすっきりとクセの無い味わいで、子どもから高齢の方まで、安全に飲めるハーブ、リンデン。
慌ただしい一日の終わりになかなか寝付けない時や、イライラして神経が休まらない時、ストレスで胃腸も気分もムカムカしてしまう時…
怒ったり泣いたり忙しいお子さんの気持ちをリセットするための一杯にも!
何かと神経が鎮まらない日々、“自分らしさを取り戻してリラックスモードに切り替えたいとき”に飲みたいハーブです。
見た目や香りの華やかさを誇るハーブではありませんが、その飲みやすさと心落ち着く味わいはリラックスハーブのブレンドには欠かせない存在なのです!
リンデンのおすすめブレンドティーレシピ
お休み前、食後のリラックスに。
華やかな香りとすっきりした味わいを楽しみながら。
《ブレンド内容》
リンデン ティースプーン1杯
ローズ ティースプーン1杯
《作り方》
リンデンとローズのドライハーブをティーポットに入れ、熱湯を注ぎ、
3分待ったら飲み頃です!
☆乾燥したリンデンの枝葉は硬いため、軽く砕いてから淹れるのがおすすめ。
細かく砕かれたものやブレンドのティーバッグタイプなどもあるので、飲みやすいものを探してみてください。
※ドライハーブ、フレッシュハーブ共に、ハーブは必ず食用として販売されているものを使ってください。
ポプリなど雑貨用のドライハーブや、鑑賞用の花束に入っているもの、園芸品種の苗等のものを自己判断で口にしないでください。
一口にリラックスのアロマとハーブといっても、色々な個性の精油やハーブティーがあります。
華やかな香りや味わいを持つ精油やハーブの陰に隠れがちな種類も、実はそれぞれに欠かせない実力の持ち主。
時にはそんな”実力派”のアロマやハーブを手に取って、お気に入りのリラックスブレンドに加えてみてはいかがですか♪
参考文献;
『知の遊びコレクション 樹木』コリン・リズデイル、ジョン・ホワイト、キャロル・アッシャー 著/杉山明子、清水晶子 訳 新樹社
『ハーブ事典』レスリー・ブレムネス 編 / 樋口あやこ 訳 学校法人文化学園文化出版局
参考・一部写真出典;
『ハーブの魔術 MAGICAL HERBS』 マーガレット・ピクトン著 / 佐藤美保ほか訳 作品社
\この記事を書いた人/
大塚麻子
オーダーメイドトリートメントを提供する『Aroma Berta』主宰
英国IFPA認定・国際プロフェッショナルアロマセラピスト
日本心理学会認定心理士
自然の恵みアロマとハーブの魅力と、毎日を心地よく過ごすための利用法をわかりやすくお伝えしていきます♪