アロマの秋、はじめませんか?
11月に入り、ようやく秋が深まってきましたね。
移ろう季節の風景に目を向けながら、感性を磨くのにも良い季節です。
香りを味わうアロマセラピー、はじめてみませんか?
アロマセラピーって何?
アロマセラピーとは、日本語で「芳香療法」。
芳香=香りを用いる自然療法です。
様々な植物から得られる芳香物質「精油」の特性をいかし、その時の心身の状態に最適な香りを選ぶことで、
心と体のバランスを保つのに役立てる療法です。
様々なハーブの生命力あふれる香りが封じ込められた小さな小瓶の中から、
その時々に求める香りを選び、色々な形で利用することができる、アロマセラピー。
その自然の恵みに感謝しながら、心身に様々な変化を与えてくれる香りの不思議を感じてみましょう。
脳に直接届く
香りの「メッセージ」
香り成分(芳香分子)は、鼻の粘膜の嗅上皮というセンサーを通り、様々な信号となって直接脳へと伝わります。
脳の中でも、香りの信号がまず届くのは「大脳辺縁系」という部分。
本能や情動(感情)、記憶や自律神経系の調節など、基本的な生命活動に関わる部分です。
香りはここへ直接届くことで、それぞれの香りが持つ多様な成分(化学分子)が、それに対応する脳のさまざまな受け皿(受容体)にいわばマッチングするような形で、心と体の状態に働きかけるのです。
たとえば森林浴効果※で知られるヒノキやヒバなどの樹木の香りでは、α-ピネンなどの成分が嗅覚を通じて脳に作用することによって、
血圧を下げてリラックス状態へ導いたり、ストレスホルモンを減少させたりすることがわかっています。
※森林の中で過ごすことで、副交感神経の働きが優位になり生理的なストレス状態が緩和される現象のこと。
「脳が選んだ」香り
を信じて
自分の意志ではコントロールできない自律神経系※や、湧き起こる感情、生理的な働き、自動的に蓄積される記憶―
そうした機能に関わる脳がダイレクトに感じる=直感するもの、「香り」。
それはつまり、本能で感じるということです。
精油には様々な種類があり、その成分や香りの特徴によって心身への作用が区分されてはいますが、
アロマセラピーにおいて、脳が理屈抜きに「心地良い」と感じる香りを選ぶことは、その人に今必要な香りとその働きを見つけるうえで、実は一番大切なことなのです。
※発汗など体温調節や内臓の動きなどを調節する神経系システム
アロマセラピー、ことはじめ
必要な香り、好きな香りを色々な形で日々の暮らしに取り入れることで、
心と体を健やかに、バランスを保ちながら過ごすための自然療法、アロマセラピー。
いろいろな取り入れ方を改めてご紹介します。
芳香浴
身の回りに香りを香らせることで心身のリラックスやリフレッシュをはかる方法です。
一番手軽な方法としては、ティッシュペーパーやハンカチに精油2~3滴を垂らして嗅いだり、
ボウルやカップにお湯を入れ精油2~3滴を垂らし、湯気と一緒に揮発する香りを楽しんだりする方法があります。
空間全体に広く香らせたいときは、「ディフューザー(芳香器)」を使います。
キャンドルの熱で温めて香りを広げる「アロマランプ」や電球の熱を利用する「アロマライト」、
超音波などの仕組みを利用して水などと一緒に精油を気化させる「ミスト式アロマディフューザー」など、
最近では続々と新しいタイプのディフューザーが登場しています。
芳香器の種類に関わらず、精油は1回に約5~6滴使用します。
また、お気に入りの香りでアロマスプレーを手作りすることもできます。
ビーカーで無水エタノール5mLに精油10滴程度を混ぜてから、遮光スプレーボトルに入れて水25mLを加えれば、30mLのアロマスプレーの完成です。
これまでのブログでも色々な香りでのレシピをご紹介しています♪
入浴(アロマバス)
入浴用のオイルやバスソルトなどに精油を加えたものを、お湯に溶かして入浴する方法です。
全身浸かる「全身浴」、下半身のみ浸かる「半身浴」の他に、
ハンドバスやフットバスなど手や足だけお湯に浸かる「部分浴」の方法もあります。
全身浴・半身浴では、湯船に精油合計5滴まで、部分浴では1~2滴程度で十分に香ります。
いずれも入浴による血流促進効果に加えて、心身のストレスケアやスキンケアなど香りの種類や成分による相乗効果を期待するものです。
トリートメント
精油を加えた植物オイルを肌に塗る方法です。
オイルや精油の作用による皮膚の保湿や保護の他に、
マッサージしながら皮膚に浸透させることで身体各部のリラックスや代謝促進などをはかるものです。
肌に付けるオイルなどの精油配合濃度は1%までが推奨されています。
ホホバオイルなどのスキンケア用の植物オイル5mLに対して精油1滴で1%です。
最後に、アロマセラピーを行ううえで欠かせない「精油」について、
大切なこと。
精油は芳香植物から芳香物質(香り)だけを抽出したものとご説明しましたが、それだけに大変濃度の高い原液です。
原液が直接皮膚や粘膜に触れることは避けてください。
また、乳幼児やご高齢者、障害や疾患をお持ちの方、ペットなどと共に暮らしている場合には、
アロマセラピーを取り入れるにあたって注意すべきことがあります。
(嗅覚や皮膚などすべてにおいて発達段階の乳幼児や、
感覚刺激に対する反応に注意が必要なご高齢者、
神経系疾患をはじめとする疾患をお持ちの方や服薬治療中の方、
ヒトよりも嗅覚刺激を感じやすい犬や精油に皮膚耐性の無い猫などのペットなど、
ともに暮らす空間でのアロマセラピーの実践にはそれぞれに対応した配慮が必要です。)
専門ショップやセラピストなどに安全で効果的なアロマセラピーの取り入れ方を相談しながら、
香りのある心豊かな暮らしをぜひ始めてみてくださいね!
次回は「香りのブレンド方法」についてご紹介します♪
\この記事を書いた人/
大塚麻子
オーダーメイドトリートメントを提供する『Aroma Berta』主宰
英国IFPA認定・国際プロフェッショナルアロマセラピスト
日本心理学会認定心理士
自然の恵みアロマとハーブの魅力と、毎日を心地よく過ごすための利用法をわかりやすくお伝えしていきます♪