クリスマスを彩る香り
クリスマスを彩る香り
12月に入り、冬らしさが増してきましたね。
街の景色に暖かな光があふれる、クリスマスの季節です。
クリスマスに縁の深いハーブやアロマと言えば、
何といってもスパイスです。
寒い季節を過ごす人々にとって、身体を温めて心の距離を近づけるスパイスはまさに自然からの贈り物。
クリスマスシーズンの街や家には、昔からスパイスの香りがつきものです。
〇クリスマスポマンダーの香り
ヨーロッパでは、クリスマスにお馴染みの香りがあります。
それはスパイス&オレンジの香り。
オレンジの果実にクローブを挿し、シナモンやオールスパイスなどのパウダーをまぶして作る、手作りのポマンダー(香り玉)の香りです。
風邪などの色々な感染症が流行るシーズンに、病気の原因となるものーウイルスや病原菌などーの邪気を払うお守りとして、健康への願いを込めて作られてきたものです。
スパイスの底力
クリスマスポマンダーに使われるスパイス…シナモンやクローブ、ジンジャー…などは、昔から身体そして心を温めて元気づける力があることで知られていました。
多くはインドネシアやスリランカなどアジア地域原産の植物ですが、
その利用特性はエジプトなどの中東やヨーロッパでも評判を呼び、感染症のための飲み薬や消毒薬、宗教的な場での神聖な空気を保つ香りとしてなど、
様々な用途で世界中に広まっていったのです。
漢方では現在にいたるまで、多くのスパイスが様々な配合で色々な疾患への治療に役立てられていることを知る方も少なくないでしょう。
クローブ
クローブは、和名で丁子(チョウジ)。
きりっと染み入るような独特の香りと風味の中に、温かな甘みも感じられるスパイスです。
ヨーロッパでペストが大流行した中世の時代、空気清浄のための香りとして感染予防策のひとつに活用された歴史があります。
歯が痛いときにこの植物を噛んで鎮痛のために用いたり、クローブのハーブティーでうがいをして口内洗浄をしたりと、歯科治療や口腔ケアでも使われてきたスパイスです。
また、ゴキブリなどが嫌う香りとして、乾燥させたものをポプリにするなどして室内外の害虫避けにも使われます。
シナモン
シナモンは、和名でニッキ、漢方で桂皮など、様々な呼び名を持つスパイスです。厳密には原産地や種類によって香りや成分に違いがあるのですが、同じものとして扱われている場合もあります。
鋭さと甘さを合わせ持つ香りは、麝香(ジャコウ)に似ていると表現されることも。
アロマセラピーで使うシナモン精油では、樹皮から採れたもの(=シナモン・バーク)と葉から採れたもの(=シナモン・リーフ)とで香りや成分が異なるため、用途によって使いわけます。
シナモンの香りは心を元気づけ、弱った心身を温めて活気づかせてくれます。
シナモンのパウダーは、アップルパイなどのお菓子でお馴染みですが、
スティック状に巻いたものを紅茶やコーヒーに添えて飲むだけでも香りと風味を楽しむことができます。
胃腸の調子が良くないときや、鼻づまりなどが起こりやすい風邪や花粉の時期にもおいしいスパイスです。
ジンジャー
ジンジャーは、お馴染みの生姜(ショウガ)です。
ピリッとした風味と懐かしい温かみを感じる香りですね。
何といってもジンジャーは温めの達人です。
風邪のときに「生姜湯」を飲んで温まり、汗をかいて熱を下げる…そんな習慣が日本にもありますね。
消化不良で胃がムカムカするときや、つわりなどによる吐き気があるときにも、ジンジャーのブレンドされたハーブティーでの休息がおすすめです。
アロマセラピーで使うジンジャー精油は、穏やかな深みのあるスパイシーさで、温かく心を励ましてくれる香りです。レモンなどの柑橘系の香りとブレンドして乗り物酔いのお守りの香りとしてもおすすめです。
スパイスの香りは柑橘系の香りと相性が良く、特に甘みのあるオレンジスイートの香りは、シナモンやクローブの甘みも引き出しながら、温かく明るい、ハッピーな香りのハーモニーを紡ぎ出してくれます。
〇グリューワインの香り
過去のブログでもご紹介したことのある「グリューワイン」。
ヨーロッパ各国で呼び名は色々ですが、クリスマスの寒い時期に飲まれるスパイスたっぷりのホットワインです。
シナモンやクローブ、ジンジャー、カルダモン、スターアニス(八角)、ナツメグなど個性豊かなスパイスを好みによってブレンドし、ワインと一緒に煮出します。お気に入りのスパイスハーブティーから作ってみるのも手軽な方法です。
そして仕上げには、オレンジやレモンのスライスを加えて。
ここでもやっぱり、スパイスには柑橘ですね!
クリスマスシーズンに馴染みの深いスパイス&オレンジの香り。
今年はお部屋の香りから、クリスマス気分に着替えてみませんか♪
※ご注意※
スパイスの精油は皮膚刺激性のあるものが多いため、オイルトリートメントに使用したい場合には安全な利用法を専門家へご相談ください。
また、スパイスには通経作用(月経を促す作用)のあるものも多いため、スパイスハーブティーを飲用の場合も含め、妊娠中の方は医師にご確認ください。
\この記事を書いた人/
大塚麻子
オーダーメイドトリートメントを提供する『Aroma Berta』主宰
英国IFPA認定・国際プロフェッショナルアロマセラピスト
日本心理学会認定心理士
自然の恵みアロマとハーブの魅力と、毎日を心地よく過ごすための利用法をわかりやすくお伝えしていきます♪