花粉の季節のハーブティー
立春を過ぎ、春の気配を感じる日も多くなってきましたね。
前々回では花粉シーズンにおすすめのアロマをご紹介しましたが、
今回はおすすめのハーブティーのお話です♪
春を迎える準備に
ネトルのハーブティー
ネトルの和名は、西洋イラクサ。
葉や茎に細かなトゲのある植物ですが、人々は昔から、煮出すことでその栄養をいただいてきました。
乾燥させたネトルのハーブティーは、緑茶のようなさっぱりとした風味で飲みやすく、ビタミンやミネラルがたっぷり。
ヨーロッパでは古くから、春の体調管理に飲まれてきたハーブティーです。
血液を浄化すると言われてきたこのハーブは、「溜め込む冬」から不要なものを「脱ぎ去る春」へと季節が移る時期に摂ることで、
体内の流れをスムーズにして軽やかに動くことを目指す「準備のお茶」なのです!
そんな特性からネトルは、ヨーロッパの伝統的な植物療法の中で、
代謝に関わる慢性的な不調や、アレルギーに適するハーブとして利用されてきました。
花粉に悩む春を迎えるための心の準備にもおすすめのハーブなのです。
くしゃみや鼻水などがつらい花粉の本格的なシーズンを迎える前から、
鉄分をはじめとするミネラルやビタミン類、フラボノイドなどの様々な成分をたっぷり含むネトルを続けて補給するのがおすすめです。
※生の葉や茎を口にしないでください。
※妊娠、授乳期の鉄分補給やアレルギーに利用する場合はかかりつけの医師にご相談ください。
天然の薬箱
エルダーフラワーのハーブティー
エルダーフラワーの和名は、西洋ニワトコ。
10mにまで育つこの木は、春深まる頃に白く小さな花穂をたくさんつけます。
エルダーと人間との関わりの歴史は古く、多くの薬効のある植物として様々に利用されてきました。
北欧などの神話では妖精が棲む樹とされ、近年ではその枝が魔法の杖として有名なファンタジー小説にも登場しましたね。
やがてヨーロッパでは庭に自生する木として親しみ深い存在となり、「庶民の薬箱」などと呼ばれて自家製ハーブティーやコーディアル※1が作られるようになったと言います。
ほのかに甘みのある優しい口当たりのエルダーフラワーのハーブティーは、
マスカットのような香りとも表現されます。
フラボノイドを豊富に含み、ヨーロッパでは古くから喉の痛みや発熱などがつらいインフルエンザや風邪のときに飲まれてきたハーブです。
小さな子供にもやさしい味わいで、ハチミツ※2を加えたミルクティーもおすすめですよ。
※1.ハーブ(エルダーでは花穂)を砂糖に漬けたものを、水や湯、炭酸などで薄めて飲むヨーロッパ伝統の飲み物。
※2.一歳未満のお子様はハチミツを加えずにお召し上がりください。
免疫分野で注目
エキナセアのハーブティー
エキナセアの和名は、ムラサキバレンギク。
和名の「馬簾」からも想像されるように、どこかエキゾチックで個性的なその姿はワイルドな魅力を放ちます。
アメリカの先住民が薬草として傷の手当などに利用してきたこのハーブは「天然の抗生物質」などと呼ばれ、近年では免疫力を高める植物成分の研究の中で注目を浴び続けています。
乾燥させた茎や根を淹れたハーブティーは、お茶らしい苦みをほんの少し感じますが、クセの無いスッキリとした味わい。
色々なハーブとブレンドしても美味しく飲みやすいハーブです。
おすすめハーブブレンド
*花粉シーズンの黄金レシピ*
《分量》
ネトル 1
エルダーフラワー 1
エキナセア 1
ペパーミント 1
(ティースプーン計量/1人分)
☆飲み方☆
全てのハーブをティーポットに入れ、熱湯を注いで約3分待ったら飲み頃です。
1日2~3回を目安に、ハーブのやさしい香りでゆっくりと呼吸をしながら味わう時間を。
食後やティータイムのお茶としても。
ナチュラルな風味を楽しみながら、心身のコンディショニングにも力を貸してもらえる癒しのハーブティー。
憂鬱に思う花粉の季節の始まりも、美味しい時間に変えてみませんか♪
参考文献;
『知の遊びコレクション 樹木』コリン・リズデイル、ジョン・ホワイト、キャロル・アッシャー 著/杉山明子、清水晶子 訳 新樹社
『ハーブ学名語源事典』大槻真一郎・尾﨑由紀子 著 東京堂出版
『からだに効くハーブティー図鑑』板倉弘重 監修 主婦の友社
\この記事を書いた人/
大塚麻子
オーダーメイドトリートメントを提供する『Aroma Berta』主宰
英国IFPA認定・国際プロフェッショナルアロマセラピスト
日本心理学会認定心理士
自然の恵みアロマとハーブの魅力と、毎日を心地よく過ごすための利用法をわかりやすくお伝えしていきます♪