“星に願いを”届ける香り

2023.07.06 Thu

 

七夕というと、何を思い浮かべますか?

 

 

1年に1度、天の川を渡って巡り合うことのできる織姫と彦星のお話※、

そして願い事を書いた短冊を笹の葉に吊り下げて、そよぐ風に揺らしながら夜空の星に祈る風習※。

 

 

伝統行事や神話などは、時代や地域によって言い伝えや意味合いが異なったり、変容していったりするのが世の常ですが、

現代に生きる私たちにとっても七夕の日は、「縁」や「願い」に思いを巡らせるイベントに違いありません。

 

 

今回はそんな七夕の日にピッタリの香りと楽しみ方をご紹介します☆彡

 

 

※七夕(たなばた)…中国の伝説に由来する、7月7日の夜に星を祭る年中行事。

天の川(銀河系)の対岸に引き離された織姫(こと座のベガ)と彦星(わし座のアルタイル)が、念願を遂げて年に一度七夕の夜にだけ天の川を渡って逢えるという伝説。

織姫の機織りの才などにもあやかり、物事の上達や念願成就を祈って笹竹に五色の短冊を飾る習慣が生まれたとされる。

 

 

 

 

 

 

願いを叶える☆彡

「祈る力」と「動く力」のためのアロマ

 

 

 

祈りの香り

フランキンセンス

 

 

「祈りのアロマ」と言えば、フランキンセンスです。

瞑想の香りとも言われ、深い精神性と親和する香りとされています。

 

フランキンセンスはイエスキリスト誕生の際に献上された3つの宝のうちのひとつとされたほど貴重なものとして、古代エジプトを中心に世界へ伝え渡りながら、

神聖な祈りを捧げる場の香りとして用いられてきました。

 

フランキンセンスの精油は、ニュウコウジュの樹脂を蒸留したもの。

澄み渡るような清々しさと、深い奥行きをあわせ持つ香りです。

 

香りを深く吸い込むと、胸の奥まで洗い流されるような清浄な感覚とともに、

平静な心をもたらしてくれるーそんなアロマです。

 

 

「祈り」は、直情的に懇願することではなく、フラットな精神で、自分自身の心を見つめながら念じること。

そうして捧げる祈りー強く深い思いこそが「届く」ということは、

国や宗教などの違いを超えて共通しているかと思います。

フランキンセンスは、揺れ動く心から「祈る心」へと導いてくれる香りなのです。

 

 

 

 

 

 

 

実現に近づく香り

レモン

 

 

打って変わって、レモンの香りは日常的にとても馴染み深い香りですね。

 

その弾けるように爽やかな香りは、フレッシュさや新鮮さの代名詞のようにもなっています。

「爽やかでフレッシュ」という表現は、若く未熟なイメージにもつながるものですが、

レモンの香りの働きは、むしろ熟練のコーチのよう。

 

今の気分をリセットして新しい気持ちに切り替えたい時や、

物事に集中したいとき、いったん冷静になって考えたいときなどに助けてくれる香りです。

願う未来に向かってまっすぐに突き進むには、妄信的な思いばかりでなく、冷静な頭と心持ちが必要なはず。

レモンは、夢を描く熱い思いに、冷静さというサポートを授けてくれる香りなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

縁をつなぐ☆彡

愛と絆のアロマ

 

 

織姫と彦星の七夕伝説は、ロマンチックで運命的な結び付きの象徴の物語として、日本人にひろく浸透しています。

最後にご紹介するのは、そんな「縁」にまつわるハーブの香り。

 

 

 

 

絆を深める香り

マジョラム・スイート

 

 

マジョラムはオレガノの一種で、小さく咲いた花と葉の部分から香りが得られます。

ほのかに甘く、温かみのある優しいスパイスの香りです。

 

その香りは古代ギリシャやローマの時代から好まれ、人々の生活に根づき、

乾燥させた葉や浸出液などを防虫や消毒、洗浄などのために利用していたといいます。

 

 

 

そしてそれらの地の神話の世界では、愛と幸福の女神アフロディーテ(ヴィーナス)が創り出したハーブとされていたり、

女性の出産などを守護する女神ユノーがマジョラム(オレガノ)の冠を戴いていたりと、

神話の中で多くの神々とともに、特に愛と癒しにまつわる神聖なハーブとして、登場しています。

実際に結婚式で新郎新婦がマジョラムの花飾りを身につけたり、

マジョラムを詰めたサシェを恋のおまじないに使ったりする風習があるなど、

長い時の中で愛と絆を深めるハーブとして考えられてきたことがわかります。

 

 

 

一部画像出典;『MAGICAL HERBS』M.ピクトン著 佐藤美保ほか訳 作品社

 

 

 

マジョラムの精油は、温める性質のある香りです。

それは体だけでなく、ひんやりとすきま風が吹いて寂しい気持ちを抱えたときの心にも、

胸元にほんわりと温かい灯を灯してくれるような。

 

 

「心温まる話」、「旧交を温める」、などと言いますが、

自分自身の心が満たされ、温かい気持ちを持つことで、人と人との絆も深まるものですよね。

マジョラムが夫婦や親子の絆と結びつけられて利用されてきたのは、

そんな「温かさ」からかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

七夕の夜には特別な香りを

 

 

 

ご紹介した3つの香りは、ブレンドすると輝く星空の澄んだ空気のよう。

大切にしたい「縁」への「祈り」を込めて、アロマスプレーにしてみましょう☆彡

 

 

飾った短冊に香りを吹きかければ、

夜風にそよぐ短冊からほのかな香りを感じることができますよ♪

 

 

 

  *おすすめアロマレシピ*

 ”七夕ブレンド”のアロマスプレー

 

 

     フランキンセンス精油 2滴

     レモン精油 2滴

     マージョラム・スイート精油 2滴

 

 

         ☆作り方☆

 

30mLの遮光スプレーボトルに、

無水エタノール5mLと精油合計5~6滴を入れ、

最後に精製水25mLを加えてよく振り混ぜれば完成です。

 

         ☆使い方☆

 

よく振ってから、香りを拡げたい空間にスプレーします。

 

※毎回よく振って使用し、1ヶ月程度を目安に使いきってください。

※レモンなど多くの柑橘系精油には、肌に付けた状態で日光に当たると皮膚刺激を起こしうる光毒性を持っています。肌についた場合はせっけんで洗い流してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

七夕の夜には、願いと縁を紡ぐ特別な香りを添えて。

 

香りとともに、大切なものを想う時間を過ごせたらいいですね。

 

 

 

 


\この記事を書いた人/

大塚麻子

オーダーメイドトリートメントを提供する『Aroma Berta』主宰
英国IFPA認定・国際プロフェッショナルアロマセラピスト
日本心理学会認定心理士

自然の恵みアロマとハーブの魅力と、毎日を心地よく過ごすための利用法をわかりやすくお伝えしていきます♪



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