ハーブで「良眠サイクル」習慣🌿
「ハーブティー」というと、最初にどんなイメージが湧きますか?
「休息時間」や「ゆっくり過ごす光景」などがぼんやりと浮かぶのではないでしょうか?
ハーブティーとして飲まれるハーブのほとんどがカフェインを含まないことから、
胃腸が弱っているときやお休み前などカフェインを控えたい時に勧められることも多く、
「カフェインフリーのやさしいお茶」というイメージがある方も多いことでしょう。
でも、ハーブティーでリラックスできる理由は、「カフェインフリーだから」だけではありません。
心とからだがほっと休まるような時間をつくることが得意な「ハーブティー」。
それには深い理由があります!
心身を解きほぐす
ハーブティーのひみつ
ハーブは、天然の植物化学成分の宝庫です。
たとえばフラボノイドやアルカロイドといった植物化学成分は、
私たちのからだの中で相乗的に働き、気持ちを落ち着けたり安らかな気分へ導いたりします。
また、アロマセラピーで用いられるハーブの香り成分(精油)もお茶の中に微量に抽出されるため、
ハーブティーはそれぞれに植物のやさしい香りを醸し、香りによるリラックスやリフレッシュのアロマテラピー※効果も生まれます。
※植物の香りが心身にもたらす変化を利用する自然療法
さらに、ビタミンやミネラルといった私たちのからだのバランス維持に欠かせない栄養素も、ハーブには豊富に含まれています。
当然、ハーブの種類によって含まれる成分やその含有率なども違いますが、
天然成分や栄養素が豊かに重なりあうハーブティーは、
心とからだのバランスを保てるように、心身の余分な力を抜いて解きほぐすのがとっても上手なのです。
「眠り」のハーブティー
そんなリラックス&リフレッシュのちからで、休息時間やお休み前のお茶にぴったりなハーブティーですが、
その中でもより深いリラックスタイム、つまり「眠り」の味方になってくれるハーブがいくつもあります。
今回はたくさんある「眠りのハーブ」のひとつ、「パッションフラワー」をご紹介します。
「天然の鎮静剤」
パッションフラワー
南米などを原産とするこのハーブは、ヨーロッパに伝えられた際、
その特有の花の形に、十字架に掛けられたイエス・キリストの受難(=パッション)の光景を重ねた宣教師たちによって名付けられたと言われています。
和名は「チャボトケイソウ」。400種以上ある「トケイソウ」の中の一種です。
トケイソウという和名の由来は、ハーブの姿を見れば一目瞭然ですね!
植物性トランキライザー(精神安定剤)と呼ばれる通り、
古来からこのハーブの心を落ち着ける力は、
神経症や、精神的・身体的な過緊張による発作や痛みなどに対して用いられてきました。
そして、そうした心身の状態によって引き起こされる不眠症にも効果的に使われてきたのです。
不安や考え事にとらわれて神経が休まらず眠れない…落ち着かない気分とともに時計の針が無情に進んでいく夜。
そんなときに助けてくれる、トケイに似た姿をしたハーブ、パッションフラワー。
自然の不思議な力と恩恵を感じますね。
リラックス&スリープブレンド
(1~2杯分)
パッションフラワー
リンデンフラワー
ローズペタル
各ティースプーン1杯程度
*すべてドライハーブ
《眠りのためのハーブティーの飲み方》
ティーポットにすべてのドライハーブを入れ、熱湯を注いで3分ほど置いたら飲み頃です。
お好みでハチミツやミルクをくわえて。
入浴後、お休みの1時間ほど前にゆっくり飲んで、リラックスのひとときを。
※薬(特に睡眠薬や抗不安薬等の向精神薬)を服用中の場合は飲用を避け医師にご相談ください。
※ハーブは必ず食用として販売されているものを使ってください。
ポプリなど雑貨用のドライハーブや、鑑賞用の花束に入っているもの、園芸品種の苗等のものを自己判断で口にしないでください。
良い眠りのために「天然ハーブ」
を選ぶということ
一般的に眠剤などと呼ばれる睡眠改善薬には様々な種類と効き方のタイプがあり、
寝つきの良くない人、寝つけるけど途中で目が覚めてしまう人、寝ても熟眠感が得られない人など、
色々な睡眠障害に対して、有効な働きかけをする薬があります。
その一方で、薬の単一成分によって強制的に脳の機能を抑えて睡眠へ導く長期的な服用習慣が、依存性を招くという問題も存在します。
反対に、豊富な天然成分や栄養素が一緒に働くことで自然な眠りを促すハーブは依存性を生むことなく、
続けて飲むことで心とからだのバランス維持やストレス対策となり、さらに質の良い睡眠習慣「良眠サイクル」を生み出します。
こうしたハーブの性質は、依存性や精神への副作用の無い新たな睡眠治療のための医薬品開発分野でも、
近年注目され研究が進められています。
ご紹介したパッションフラワーも、ドイツでは医薬品として利用されています。
その他にも、
睡眠の深さ・質の向上に関する効果を科学的に検証したものとして機能性表示食品の成分に名を連ねている、
「ラフマ」(関連成分;ラフマ由来ヒペロシド/ラフマ由来イソクエルシトリン)や、
入眠や中途覚醒の悩みに沖縄のハーブ、「クワンソウ」が注目を集めるなど、
日進月歩の研究の中で改めて天然ハーブの可能性が見出だされています。
秋はすぐそこに。
温かいハーブティーの美味しい季節です。
お休み前のひとときに、「良眠サイクル」のハーブティー習慣を始めてみませんか♪
\この記事を書いた人/
大塚麻子
オーダーメイドトリートメントを提供する『Aroma Berta』主宰
英国IFPA認定・国際プロフェッショナルアロマセラピスト
日本心理学会認定心理士
自然の恵みアロマとハーブの魅力と、毎日を心地よく過ごすための利用法をわかりやすくお伝えしていきます♪