アロマなのにお菓子の話? クリスマスの香り
もうすぐクリスマス。
素敵なクリスマスを香りで表すとしたら、あなたならどんな香りをイメージしますか?
クリスマスのお菓子
「シュトーレン」の香り
クリスマスのお菓子として日本にも浸透している「シュトーレン」。
キリスト誕生の日を心待ちにしながら、クリスマス当日まで少しずつ切り分けて味わうお菓子です。
ドイツに始まり、広くヨーロッパに拡がると、それぞれの国や地域で少しずつ味や姿のバリエーションを増やして人々を楽しませながら、各地のクリスマス定番のお菓子となりました。
その生地の多くは洋酒漬けのベリーや柑橘のドライフルーツをふんだんに混ぜ込み、ナッツの風味やこだわりのスパイスでアレンジを利かせて作られます。
焼き上げて、仕上げに真っ白な砂糖のパウダーを身にまとったら、お馴染みの姿に。
生まれたばかりのイエス・キリストが白い布で大切にくるまれた姿を模しているとも言われています。
シュトーレンは作りたてよりも、日を追うごとにフルーツやスパイスの風味が生地に馴染んで味わい豊かになるお菓子。
クリスマスの日を迎えるまでの数週間、少しずつ切り分けて味わいます。
そんな文化が根付いてからというもの、
クリスマスを待つ街中は、シュトーレンを作る厨房から、切り分けられる部屋から、甘く芳しい香りで溢れています!
甘くスパイシーな
香りの秘密
洋酒に漬け込んだオレンジピールやレモンピール、ベリーなどたっぷりのドライフルーツや、
アーモンドの粉末と砂糖などを練って作るマジパン、香ばしいナッツ類、
そしてシナモンやクローブなどのスパイスを混ぜ込み作られるシュトーレン。
その美味しそうな香りは、柑橘をはじめとするドライフルーツの甘さと、シナモンをベースにしたスパイスたちの鼻をくすぐる芳しさから。
実はこの「柑橘×スパイス」の香りは、クリスマスシーズンの街そのものの香りと言って良いほど。
シュトーレンと同じドイツを起源とするホットワイン「グリューワイン」や、
伝統的なクリスマス飾りの「オレンジポマンダー」など、
オレンジとシナモンに代表される、柑橘とスパイスをブレンドした香りが街中に溢れています。
(→昨年のブログ『クリスマスを彩る香り』でも詳しくご紹介しました♪)
季節の香りには、
ワケがある
スパイスは元々、心と身体を温めて活気づけ、
感染症や病原菌などから強力に身を守るための薬や厄除けとして珍重されてきた存在。
様々なウィルスが活発化しやすく風邪などが流行りやすいクリスマスシーズンにはうってつけです。
また、そんなスパイスと、風味と香りの相性抜群のオレンジやレモンなどの柑橘類は、
ビタミンCの抗酸化作用に代表される栄養成分で、風邪に負けない身体づくりに欠かせない存在です。
ドイツがグリューワインなら、イギリスにはクリスマスティーなるものも。
様々なオリジナルブレンドで紅茶にスパイスと柑橘のピール、ハーブなどを加えた、味わい深く心から温まる紅茶です。
どれもこの季節にしか出会えない、クリスマスシーズンならではの特別な一杯。
寒い街に溢れるオレンジとスパイスの香りには、温かく幸せなクリスマスへの願いが込められているのです。
聖なる夜を祝う香り
シュトーレンがその姿で表すように、生まれてまもなく白い布で大切にくるまれたと言われるイエスキリスト。
その誕生を厳かに祝い、東方の3人の賢者が献上したとされるのが、
黄金、そして乳香(にゅうこう)と没薬(もつやく)という貴重な樹脂類です。
これらの希少な樹脂の香りは、近東などで、神聖な祈りを捧げる神殿のような場所で焚かれていました。
誕生したばかりのキリストが後に神や王のような存在となり人々に救いをもたらすとして、この神聖な香りを贈ったとされています。
乳香はフランキンセンス、没薬はミルラと呼ばれ、今やアロマテラピーでも馴染み深い香り。
第六感を呼び覚ますようなスッとした清浄な香りは、心を平静にマインドを深めるとして、瞑想の香りとも呼ばれています。
実際に空気を清めて呼吸を深めてくれる性質から、寒いシーズンの風邪予防にもふさわしいアロマです。
クリスマスの香りブレンド
マンダリン精油 1滴
オレンジスィート 2滴
シナモン 1滴
フランキンセンス 1滴
(ベンゾイン1滴)
ブレンドした香りをディフューザーで香らせたり、アロマスプレーを作って好きな場所で香らせてみましょう♪
☆アロマルームスプレーの作り方☆
30mlの遮光性スプレーボトルに、無水エタノール5ml、精油合計6滴を入れてよく混ぜ、
最後に精製水25mlを加えてよく振り混ぜたら完成です。
※アロマスプレーは火気に注意して、毎回よく振ってから使用し、1ヶ月程度で使いきってください。
※精油やミストが肌に付いた場合はせっけんで洗い流してください。
クリスマスハーブティー
(カップ1杯分)
レモングラス 1
ジンジャー(スライスまたはカット) 1
オレンジピール、レモンピール 各1/2ずつ
シナモンパウダー 少々
(すべてドライハーブ、数字は割合の目安)
☆作り方&美味しい飲み方☆
ティーポットに各ハーブを入れ、熱湯を注いで3分ほどで飲み頃です。
風味の変化を楽しむためのシナモンスティックやハチミツをソーサーに添えるのもおすすめ♪
※ハーブは必ず食用として販売されているものを使用してください。
心と心を近づける、温かなクリスマスに漂う香りたち。
大切な誰かを想う気持ちを、甘くスパイシーな香りがそっと包みこんでくれるでしょう☆ミ
\この記事を書いた人/
大塚麻子
オーダーメイドトリートメントを提供する『Aroma Berta』主宰
英国IFPA認定・国際プロフェッショナルアロマセラピスト
日本心理学会認定心理士
自然の恵みアロマとハーブの魅力と、毎日を心地よく過ごすための利用法をわかりやすくお伝えしていきます♪